2019年は日向坂46にとって飛躍の年でした。
けやき坂46からの改名、単独シングルデビュー、紅白出場などなど
乃木坂、欅坂に続く第3の坂道グループとして、
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの大活躍。
そんな日向坂46ですが、
単独デビューに到るまでの経緯はなかなかに複雑なんです。
日向坂46がデビューしてからファンになったという方は、
という方もいると思います。
そこでこの記事では、
日向坂46初心者の方に向けて、
日向坂46が単独デビューを果たすまでの歴史を出来るだけ分かりやすく解説していきます。
ひらがなけやき・日向坂46の歴史

冒頭でも軽く触れましたが、
2019年に日向坂46が単独デビューするまでの経緯は、
実はかなり複雑。
日向坂46の前身である「けやき坂46」は、
乃木坂46や欅坂46のように、
というように、
運営が戦略的に生み出して誕生したグループではないんです。
実はけやき坂46は、
とある出来事がきっかけでいわば偶発的に生まれたグループ。
偶然から生まれたグループ「けやき坂46」
その軌跡を辿るためには、
この人の話は避けては通れません。
欅坂46・長濱ねるです。
けやき坂46(ひらがなけやき)誕生のきっかけ
2015年8月21日、
乃木坂46に続く第2の坂道グループとして「欅坂46」が誕生しました。
そのメンバー募集の最終選考に残ったとある少女がいます。
それが長濱ねるでした。
ねるは一次選考、二次選考を順調に突破し、
残すは最終選考のみという状況でした。
ところが最終選考当日の朝、
娘がアイドルとして活動することに難色を示していた母親に地元・長崎に連れ戻されてしまいます。
結局、
最終選考は、ねる以外で行われてしまいました。
長崎の自宅に帰宅したねるは悔しくて泣きじゃくります。
元々、上京することに強く憧れていたねる。
と強い想いを持っていました。
アイドルになるチャンスがあったのにも関わらず叶わなかったねるは失意します。
運営スタッフに「もう一度チャンスをくれないか」と直談判しました。
運営はその想いを汲み、
ねると両親を翌日の「乃木坂46全国ツアー福岡公演」に招待することに。
このコンサートに、
アイドル活動に反対していたねるの母親も感動。
ねる自身のアイドルになりたいという想いも更に強くなりました。
長濱ねるの欅坂46への追加加入
一方で欅坂46はねるを除いた20名で結成され、
2015年10月からは、
冠番組『欅って、書けない?(以下、けやかけ)』がスタートします。
そして、結成から3ヶ月が経った11月30日。
『けやかけ』番組内で長濱ねるの欅坂46への追加加入が発表されました。
運営が、
父親の想い、そしてねるの想いを汲んでの異例の追加加入となったのです。
欅坂46長濱ねるの初登場シーンの衝撃は今でも忘れられない・・・ https://t.co/t1xQmrRo11 #欅坂46 pic.twitter.com/vXZWgVqEss
— 欅坂46まとめラボ (@keyakizaka46rb) January 2, 2017
さてここで、
なぜ長濱ねるがそこまで特別扱いをされたのか?
と疑問に思う方もいるかもしれません。
実はねるは書類選考を突破した後の二次選考で、
合格水準の「A評価」をはるかに上回る「S評価」を受けていました。
「S評価」は”Special”の頭文字を取ったもので、
2万人以上の応募があるオーディションの中でも数人しか与えられない評価です。
運営側としても、
S評価を与えたねるをそのままにしておくのは勿体無いという想いがあったのかもしれません。
https://nekokosyan.com/keyakizaka46-keyakittekakenai-756.html
長濱ねるの仲間として集められた一期生
とはいっても最終選考を受けていないねるを、
他のメンバーと同じようにそのままグループに加入させてもいいのか?
運営ではそのような議論が行われたそうです。
そこで運営側が取った処置として、
まずは漢字の「欅坂」ではない、ひらがなの「けやき坂」として活動し、
長濱ねる一人のみの「けやき坂46(以下、ひらがなけやき)」が結成されました。
そして「新しく長濱ねるの仲間を集めよう」と新規メンバーの募集が始まりました。
そこで集められたのが、
現在の日向坂46一期生だったのです。
■けやき坂46(ひらがなけやき)合格者一覧
・井口眞緒(いぐち・まお)
1995年11月10日生まれ/さそり座/AB型/163センチ/新潟県出身
・潮紗理菜(うしお・さりな)
1997年12月26日生まれ/やぎ座/O型/157センチ/神奈川県出身
・柿崎芽実(かきざき・めみ)
2001年12月2日生まれ/いて座/A型/156センチ/長野県出身
・影山優佳(かげやま・ゆうか)
2001年5月8日生まれ/おうし座/O型/154センチ/東京都出身
・加藤史帆(かとう・しほ)
1998年2月2日生まれ/みずがめ座/159センチ/東京都出身
・齊藤京子(さいとう・きょうこ)
1997年9月5日うまれ/おとめ座/155センチ/東京都出身
・佐々木久美(ささき・くみ)
1996年1月22日生まれ/みずがめ座/166センチ/千葉県出身
・佐々木美玲(ささき・みれい)
1999年12月17日生まれ/いて座/163センチ/兵庫県出身
・高瀬愛奈(たかせ・まな)
1998年9月20日生まれ/おとめ座/157センチ/大阪府出身
・高本彩花(たかもと・あやか)
1998年11月2日生まれ/さそり座/160センチ/神奈川県出身
・東村芽依(ひがしむら・めい)
1998年8月23日生まれ/おとめ座/153センチ/奈良県出身
けやき坂46(ひらがなけやき)の誕生
こうして、
「長濱ねるの仲間」として集められた11名とねるを含めた12名で、
「けやき坂46(ひらがなけやき)」は誕生しました。
漢字の欅坂は、
デビューシングル『サイレントマジョリティー』が大ヒットするなど、
デビュー直後から人気を集めることとなりました。
ところが後発である、
ひらがなけやきの人気は芳しくなく、
握手会を開いても漢字欅は長蛇の列なのに対し、
ひらがなけやきの列はガラガラといった有様でした。
日向坂で会いましょうでひらがなの初めての握手会ガラガラだったってやってたけどあの翌日の名古屋個握の方がヤバかった。受付が7次からってのもあって個握で2or3人組なのに完売どこも出なくてメンバーがアピールするけどファンも券がないからレーンの後ろからただ見つめるしかなかった悲しい思い出 pic.twitter.com/5XwQifzR2D
— しるこサンド (@shirukosand46) April 8, 2019
そのくらいに初期のひらがなけやきは、
ファンからも「どんなグループなのか」認知されておらず、
人気が無かったのです。
自分たちは何なのかと自問する日々
そんな日々の中で、
ひらがなけやきのメンバーたちは自問します。
元々偶発的に生まれたグループの中で、
自分たちの存在価値を模索するメンバー。
『深イイ話』2019.12.23 O.Aより
『深イイ話』2019.12.23 O.Aより
と当時の心境を語っています。
ねるは2ndシングル『世界には愛しかない』から漢字欅との兼任になり、
欅坂46でも人気メンバーになりましたが、
ねる以外のひらがなけやきのメンバーたちは、
あくまで「長濱ねるとその他」のように世間から見られるという不遇の日々が続きました。
初の全国ツアーで人気を出し始める
そんな中でも、
ひらがなけやきのメンバーは必死に努力します。
漢字欅にはない”自分たちらしさ”を模索し、
少しずつ個性が見え始めて人気を獲得していきました。
そして2017年、
初の全国ツアー「ひらがな全国ツアー2017」の開催が決定します。
二期生の加入
初の全国ツアーの真っ最中、
代々木体育館で行われた「欅坂46デビュー1周年アニバーサリーライブ」で、
「ひらがなけやきパワーアップ計画」としてメンバーの追加募集がサプライズ発表されました。
この追加募集で加入したのが、
現在の日向坂46二期生のメンバーです。
けやき坂二期生だと誰が好きですか?😶💭
ちなみに私は渡邉美穂さんです!#けやき坂二期生 pic.twitter.com/KmbCN6IoDn
— ゆっかー推し♡◢͟│⁴⁶ (@46_mao1129) October 19, 2017
この二期生の追加加入。
グループとしては大きく成長しているように見えますが、
当時のメンバーたちは複雑な心境だったようで、
日向坂で会いましょう#19より
と番組で語っています。
もう自分たちに期待されいないと思ってしまったこと、
リハーサル中にハプニング的に「メンバー追加募集」を知ってしまったことで一期生たちがパニックになり、衣装部屋に立てこもってボイコットしようとしたという逸話は有名ですね。
ねるの漢字欅との兼任解除
そんな中で、
漢字欅とひらがなを兼任していたねるのスケジュールは多忙を極め、
全国ツアーのリハーサルも満足にできない状況でした。
そこで運営は体調面を考慮し、
長濱ねるの兼任を解除し、漢字欅専任にすることにしました。
これによりひらがなけやきのメンバーは、
残りの全国ツアーをねるを除くメンバーで行うこととなりました。
以下は、
兼任解除が決まった際のねるのブログです。
先日、
漢字欅とひらがなけやきの兼任解除、
漢字欅への専任、
ドラマとけやき坂46全国ツアーへの不参加が発表になりました。(中略)
ひらがなけやきは
明るいとか積極的とかよく言って頂けるのですが
やっぱり同じように皆も悩んだり苦しんだりしています。ひらがなけやき”らしさ”に向き合い
手探りながら藻掻いてきました。
1つ1つのチャンスを
逃さないように繋がるように大切に向き合い、
感謝の気持ちを素直に都度口にできる
そんなみんなです。(中略)
ずっと私が足を引っ張ってしまっていて。
けやき坂はこれから更に爆発的に魅力を放出しまくりまくりになると思います。長濱ねる公式ブログより引用
ねるは誰よりもひらがなを想い、
そして他のメンバーと同じように藻掻いてきました。
体調を考慮しての止むをない兼任解除。
そんなねるの想いを胸に、
残されたひらがなけやきのメンバーは覚醒します。
伝説のツアーファイナル 幕張メッセ公演
2017年12月12日、13日
「ひらがな全国ツアー2017」のツアーファイナル公演が幕張メッセで行われました。
ねるを除く11名のひらがな一期生と、
この公演が初のパフォーマンスとなった9名の二期生、
総勢20名の新生ひらがなけやきは舞台上で大躍進します。
グループの代名詞でもある「ハッピーオーラ」全開のパフォーマンスで、
大盛況のうちにツアーは幕を閉じました。
ついに始まるひらがなけやきの快進撃
ここから、
ひらがなけやきの快進撃が始まります。
2018年1月30日、31日、2月1日の3日間、
欅坂46とけやき坂46の合同で行う予定だった日本武道館公演が、
欅坂46のエース平手友梨奈の負傷により、急遽ひらがなの3days公演となります。
突然の大舞台に不安を抱えるメンバーでしたが、なんとチケットが即完。
「私たちにも待っててくれる人がいる」
と、単独3days公演を大盛況で終えました。
そしてこの公演中、
ひらがなけやき初の単独アルバムの制作決定がサプライズ発表されました。
今まで漢字欅のカップリングでしかCD参加できなかったひらがなが、
遂に単独でアルバムを出すことになったのです。
このひらがな初の単独アルバムについては、
「けやき坂46『走り出す瞬間』が今売れている理由」という記事で詳しく解説しています。
冠番組『ひらがな推し』のスタート
新番組の「ひらがな推し」もちゃんとけやき坂46とオードリーの集合写真があるんだけど? pic.twitter.com/jOKCNtitI7
— ハム・ハンクス乃木坂46ハコ推し (@hamuhamuking) May 28, 2018
ひらがなけやきの快進撃は止まりません。
2018年4月に念願の単独冠番組『ひらがな推し』がスタート。
MCのオードリーとの掛け合いや、
メンバーのバラエティへの積極的な姿勢が評判になり、
グループの人気を更に高めるきっかけになりました。
「この番組がなぜここまで面白いか」を考察した、
「日向坂で会いましょうとかいう面白すぎるバラエティ番組」という記事もぜひ読んでみてください。

三期生・上村ひなのの加入
2018年11月29日
「坂道合同オーディション」から選ばれた、
ひらがなけやき唯一の三期生・上村ひなのが加入。
独特の感性とキャラクターですぐにグループにも溶け込み、
冠番組でも活躍するようになります。
上村は天才ですね。
「上村ひなのが天才すぎるから分析してみる」という記事もよかったらどうぞ。
ついに決めた「日向坂46」への改名

2017年の長濱ねるの兼任解除以降、
怒涛の勢いで走り続けてきたひらがなけやき。
ついに2019年2月
「ひらがなからのお知らせ」として行われたSHOWROOM配信で、
けやき坂46から「日向坂(ひなたざか)46」への改名がサプライズ発表されました。
デビュー以来、
自分たちは何なのか、不確かな存在だったけやき坂46が、
第3の坂道グループ「日向坂46」として、確かな存在になった瞬間でした。
この改名にメンバーは、
週プレNEWS 2019.2.12より引用
と涙ながらに語りました。
日向坂46年表


ここまでの軌跡を年表にまとめました。
結成から約3年間、
ひらがなけやきは自分たちの存在意義を模索しながら、
少しずつ坂を登り続けていきました。
ちなみに日向坂46としてのデビューライブは僕も参加しました。一生の宝です。

おわりに

日向坂46としてデビューしてからはまさに怒涛の勢い。
デビューカウントダウンライブ、3枚のシングル発売、USJライブ、
クリスマスライブ、レコード大賞ノミネート、そして紅白出場・・・。
2019年は日向坂にとっては飛躍の年でした。
彼女たちのハッピーオーラ全開の笑顔を見ていると、
その道のりは順風満帆だったかのように見えますが、
その笑顔の裏には、
ひらがな時代の”自分たちは何者なのか”と藻掻き苦しんだ過去があります。
ひらがなけやきの歴史を知ることで、
今の彼女たちのハッピーオーラがより一層尊く感じます。
2019年2月11日
SHOWROOMで「日向坂46」の改名と単独デビューが発表されたのち、
長濱ねるは欅坂46からの卒業を表明しました。
まるでひらがなけやきが羽ばたいていくのを見送るかのように、
長濱ねるは表舞台から姿を消すことになったのです。
以上がひらがなけやきが日向坂46になるまでの概要でしたが、
より詳しく日向坂の歴史を知りたいという人は、
集英社出版の『日向坂46ストーリー』という書籍がオススメです。
ひらがな時代の貴重なエピソードだったり、二期生加入でみんなで辞めようとした時の話だったり、かなり濃い内容になってます。
「単行本・日向坂46ストーリーとは?収録内容をまとめてみた」という記事で、
あらすじや内容を詳しく解説しています。
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